C-17輸送機空自配備へ、石破首相がトランプ大統領と協議

石破首相はトランプ大統領との日米首脳会談において、C-17輸送機の購入を打診した。
関賢太郎 2025.02.27
読者限定

・C-17輸送機空自導入にむけ日米首脳会談
・C-17グローブマスターIIIとは
・C-2輸送機との比較
・C-17再生産の可能性は
・政治的背景と導入の意図

 2025年2月27日、共同通信の報道によれば、2月7日に実施された石破首相とトランプ大統領による日米首脳会談において、C-17グローブマスターIIIの購入について打診したことが明らかにりました。この報道が事実であれば、日本の航空輸送能力に関する大きな転換点となる可能性があります。しかし、C-17の導入には多くの疑問点が残ります。

写真:Boeing

写真:Boeing

【航空軍事記者 関賢太郎からのお知らせとお願い】軍事における航空分野の情報発信をテーマにニュースレターを開始しました。本記事を含め当面無料記事を多めに出していきますが、活動費・資料入手費等のサポートをお願いしております。サポート額は最低額以上は読者さんが自由に設定することができ、いつでも変更・解約ができます。私の記事を少しでも読みたいと思ってくださる皆様、これからも書き続けることができるように、執筆活動を支えていただけないでしょうか。また、お知らせのための登録だけなら無料ですので、是非、以下ボタンからご登録ください。  

C-17 グローブマスターIIIとは何か

 C-17はボーイング社が開発した四発の大型輸送機であり、アメリカ空軍をはじめとして、多くの国の軍隊に採用されています。最大積載量は約75トンとされ、長距離の輸送能力を有することから、大規模な兵站輸送や緊急時の戦略輸送に適しています。その特徴は以下の通りです。

・最大164,900ポンド(74,797kg)の積載量を搭載可能

・102座席による人員輸送

・積載物なしで6,230海里飛行(11,537km)

・空中給油能力

・7,740フィート(2359m)の滑走路から離陸

・3,000 フィート (914 メートル) の滑走路へ着陸

・戦車および装甲車等車両の積載能力

・積載物の空中投下能力

 これらの特性を考慮すれば、日本がC-17を導入することで、現在の航空輸送能力を大幅に強化することができます。しかし、現実的な導入に際しては多くの課題が存在すると考えられます。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、2022文字あります。
  • 現在の航空自衛隊の輸送能力との比較
  • C-17の生産状況と調達の可能性
  • 運用上の課題
  • 政治的背景と導入の意図
  • まとめ

すでに登録された方はこちら